フィアット500ツインエアーのカスタムはバーチカルツイン風味を残して

このツインエアーと言う車、いったん途切れた旧フィアット500の歴史が蘇ったような車ではある。
往年のこの車の祖先は、やはりこの車に対しての影響力は計り知れないものがあるのだが、そこは時代の流れなのか、イタリア人特有のジョークにみちた結果なのかは判らないが、何となく“チョロQ”に似ている姿には、共感を覚える方々もおられる事だとは思う。
おまけに、先代の500に共通する部分としては、2気筒のパワーユニットと言う事があり、これは当時のこの500を知っている方々にとっては、本当に懐かしい事なのかもしれないのだが、それを知らない方々に対してのアピールと言うものはどうなのだろうか、とも思える事も事実だ。

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バーチカルツインを想い起こさせるような“バタバタ”というアイドリング音

この車を実際に走らせて見ると、先ずはこの2気筒・900ccのパワーユニットの、独特なフィールから味わうことになるだろう。
先ずは、最近の車には珍しく、キーを捻ってセルをまわず方式から始まり、エンジンに火が入ると独特な振動と音が周りを支配することから始まる。
いわゆる“バイク(自動二輪)”のバーチカルツインを想い起こさせるような“バタバタ”というアイドリング音と、それに伴い、あたりまえのような振動がコックピットを支配するのだ。
これは、オールドファンに取ってはノストラジー以外の何物でもなく、現代、新たに興味を持たれた方達については“抵抗”のある一部分かも知れない。
しかし、このツインエアーは間違いなく、バーチカルツイン(4輪の世界ではこうは言わないのだろうが)以外の何物でも無いのだ。
思い切りそれを主張するし、そのフィールが心地よいと思える事も面白い。

走らせてみての印象だが、全体的に感覚に訴えてくるタイプでありながらも、結構気がつくと“速いかな?”と思わせてくれるタイプに属すると思える。
車種で言うとこれだと言う事を明記できないのが残念なのだ。ようするに、同じ属性の車種がこれと言って見当たらないのだ。
どちらかと言うと背が高く感じられる外見から想像するほどには、安定感がないわけではない。
特に低速コーナーなどではミズスマシのように、と言うわけにはいかないのだが、結構思い通りに走ってくれる事は間違いない。
しかし、中・高速コーナーにおける挙動には、少々不安を感じる事も少なくはない。
ひとつは、ダンピング不足から来ることと、バネレートによるものなのかもしれない。
また、ブレーキの容量は充分に近いのだが、今ひとつ曖昧な作動感覚は残る。
ステアリングの中央不感帯も、あるようなないような感覚になっているのだが、これらもサスから来ている可能性もあるだろう。
エンジンは、必要にして充分なパワーを提供してくれるが、もう少し何とかならないかなという意識にかられる事は否めない。

これらを勘案すると、やる事は決まってくる。
しかし、割合にこの車のカスタマイズに必要なパーツは限られている事も確かなのだ。
国産車のように決して潤沢にパーツが揃っている事はない。
しかし、それなりにパーツはあるが、ようするに選択肢が狭いと言うことになるだけなのだ。

足回りはローダウン

先ずは、足周りの事から始めたいのだが、そう数多くのパーツが提供されている訳でもないし、ここはサスキットと言うよりもローダウンを目的としたスプリングとダンパーキットの取りつけにしておいてもよさそうだろう。
ボディーの補強はこの500用のフレームブレースが前後用、共にある。ただし、曲げ・捻れ共にどれぐらいの数値がアップしているのかと言う明確な数値には乏しい。
もし気に入らなければ、国産車のパーツを流用してやりたい。
この程度のスピードしかない車に、ボディーの補強が必要かどうかという争点もあるかもしれないのだが、私はやるべきだと思っている。
理由は、明らかに積極安全性に寄与するからだと、あえて言っておきたい。
先ず違いはブレーキング時のスタビリティーに現れるし、コーナリング中の微舵修正時のレスポンスにも大きな影響力を持って来るからだ。
補強をすることによって、設計値どおりに近いサスのジオメトリーが発揮されれば、峠レベルの走りではそう破綻は起きないから安全性には大きく寄与できることになるわけだ。

このサスと補強をやってしまえば、何となくカスタマイズと言うよりも、ある種のチューンが終わったように感じるのだが、やはりここまでやれば次にはエンジンをやりたくなるのが人情だろう。
そうなると、やはり一応はブレーキにも気を配っておきたいと思う。
ブレーキの制動能力に、大きな不足はないように思えるので、ここではタッチと耐フェード性に絞りたい。
タッチ面の改善には、ホースの剛性強化が最善だと思う。高剛性のホースに交換すれば、かなり好感度のタッチに替える事ができるのだが、ツインエアー用のものがなければ汎用のものに少々手を加えて(長さ等)取りつける事も可能だ。
また、パッドを初期の食い付きを無視してでも、奥でのコントロール性と耐フェード性の高いものに替えておけば、ほぼOKだろう。
更に、ブレーキフルードを耐ベーパーロック性の高いものに替えれば、峠の少々長い下りでも怖い思いをせずには済むだろう。

バーチカルツイン風味は消さずにエンジンをパワーアップ

そしてエンジンだが、よくも悪くもあるこのバーチカルツイン的な要素は消したくはない。
そして、思いきりパワーを上げてしまっても全体のバランスが崩れてしまい、それこそチョロQが走っているようなことになりかねないと、容易に想像ができる。
そこで最近出始めたクランクの脈動に呼応して開閉するワンウエイバルブであり、クランクケース内に発生するブローバイガスをコントロールすることによって、エンジンの負担を減らして、パワーと燃費を向上させるシステムを持つものだある。
クランクケース減圧バルブ レデューサー キットがそれだ。
この他には吸・排気系の高効率化とロムを書き換えて、エンジンコントロールユニットのプログラムを変更して、小気味が良く、よりハイパワーを手に入れる事が可能だ。
また、吸気系の高効率化を図ると言う事は、燃調も変えてやらないと排気温の上昇を招き、ターボユニットの損傷につながる事もあるので、ロムの書き換えは必要だだろう。
これで、はっきりと体感できる程度のパワーアップは完成できる。

ここまでやると、結構硬派な車になっているはずだ。
見た目チョロQ、実際は結構速い峠仕様と言う感じだろうか。
見た目の可愛らしさを馬鹿にしてからかってくる連中も、このカスタマイズドツインエアーが本気で走ったときには、きっと思惑とちがう走りをしなくてはならないので、焦ったドライバーの顔が目に浮かぶような気がするが、どうだろうか。
本当にこのツインエアーは、面白く味のある車であることには間違いはない。

2013-04-03再編集

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