エアロパーツの役割とファッション性

 よく“エアロパーツ”と言う言葉を耳にしたり、カー雑誌等で目にとまることもあることだと思う。
 エアロパーツとはいったい、どのようなものなのかと言うことを、まずは説明しておきたい。一般的には“空力的付加物”だと言われている。
 では、その役割とはいったいどのようなものなのだろうか、また、市販車にその機能は必要なのだろうかと言うことを、考えていきたい。

 エアロパーツの役割と言うことから考えていくことにしよう。
 その役割とは、空気力学的な見地に立って全てが構築されている。一言でいえば、車体を路面に押しつける役割を持っているということが言われている。
 高速走行をすると車体には、空気力学的な抵抗・揚力が発生して、安定性を欠く状態になる。この、抵抗・揚力を減じて安定した高速走行を実現するために考案されたものが、エアロパーツだ。
 したがって、レーシングレマシーンには必要不可欠なパーツであると言える。
 例えばF-1等は空力を制するものがチャンピオンになる、とまで言われている。かつてHONDAがパワーユニットを供給するとチャンピオンになれると言う時代は、すでに過去の語り草になってしまったといわれている。2010年と2011年に、連続してF-1チャンピオンになった“レッドブル”は“エイドリアン ニューイ”と言う、空力の鬼才の力によるところがおおいに窺える。ニューイはかつて“ウイリアムズ”・“マクラーレン”でも、計五回のコンストラクターズチャンピオンを獲得しており、レッドブルでの二回を合わせると、何と七回のコンストラクターズチャンピオン車を誕生させていると言うことになる。
 現代のFー1マシーンは車体全が、空力の恩恵を受けるべく考えられており、まさに一台のマシーン全体がエアロの塊になっているようなものだ。

 それでもやはり、フロントウイング・リアウイング・サイドポンツーン・ディフューザー等など、多くのエアロパーツを付加しており、それぞれが重要な役割をしている。
 そして前述のようにF-1についているエアロパーツでも、その役割はと言えば、揚力を減らしてダウンフォースを得ると言うことに集約されると言われている。
 ようするに現代のレーシングシーンでは、エアロパーツなしでは、その成功はあり得ないと言うことが定説にすらなっているようだ。
 また、エアロパーツには様々なアイテムがあるが、ここではフォーミュラカーは除外してそのアイテムを紹介していくことにしたい。

 それらは“フロントスポイラー”・“リアウイング&スポイラー”・“サイドスポイラー”・“リアアンダースポイラー”・“テールゲートスポイラー”・“リアディフューザー”・“エアロガーニッシュ”・“GTウイング”・“エアロミラー”・“カナード”・“タイヤディフレクター”等が一般的には知られているパーツだ。
 各アイテムそれぞれの役割については、別の機会に譲ることにして先に進むことにしたい。
 これらのアイテムについては、レーシングマシーンにとって必要不可欠であり、したがってその役割には確固としたものがあるし、各チューナーごとに独自のノウハウがある。これらのノウハウは門外不出だとも言われている。したがってレーシングマシーンにおいてのエアロパーツは、決してファッションのために存在しているわけではないと言われるゆえんだ。
 その開発には莫大な時間と経費がかかっており、ノウハウが流出してしまっては、損害は計り知れないものだと、これもまたよく言われていることだ。

 更には、レースの世界でエアロパーツのみを製作しているということは、殆どなく、一台の車を総合的に製作しているので、各パーツの機能的な連携がしっかりとしている。この為、A社のフロントスポイラーに、B社のサイドスポイラーと、C社のリアウイングを付けて、などということをすることはないと言うことが一般的だし、そのような調達の仕方は困難を極めるだろうし、やっても意味がないどころか、危険であるケースの方が多いと思った方がよいだろう(何十年か前にはこんな調達による組み合わせもあったようだが)。

 では、一般的な市販車の関してはどうなのだろうか。
 市販のエアロパーツメーカーに、いわゆる大企業と呼ばれる企業は存在していない。いわゆる中小・零細(失礼)企業が、製品を独自の感性で製作をしているといわれている。
 先にも述べたのだが、エアロパーツの製作には莫大な時間と費用がかかるため、市販のものに関していえばその実効性を確認する時間も費用も、そうはかけてはいられないことになる。実効性を検証するためには“風洞実験”を重ねて、データーを取りながら細部の修正を行い、更に実車テストを繰り返さなければならないから、とんでもない費用がかかる。
 更には、一般公道でのスピードではそこまでシビアな性能を必要とはしていないこともある。
 ★一部のチューニングショップに見られるような、最高速度が300Km/hを超えるようなコンプリートカーを作っている場合には、何かしらのデーターをもとにエアロパーツに対しての技術的な裏付けがあると言われている。
 また、メーカーにとってはパーツの実効性よりも、確実な取り付けができることと、道交法の範囲内にパーツの形状を収めることの方が大事だろう。
 何故ならば車体に加工をしないで、確実に取り付けられなければ商品ではないし、道交法の範囲を超えてしまっていたら、これもまた商品にはなりえないからだ。
 このような環境と条件の中で、基本的な性能を確保していくことは難しいと言うことが一般的な見解だろう。
 勿論、全く効果がないわけではないのだが、むしろマイナス効果にならないように気を使われていると解釈した方がよさそうだ。
 しかし、中には実際にレース活動をしているメーカーもある。
 例えば奈良のINGS等がそうだ。
 こういうメーカーなら、レースに出している車種に関するパーツには、それなりの効果は期待できるかもしれない。
 このような例外を除けば、市販車用のエアロパーツの大多数は実効性よりも、ファッション性を追求していると考えた方がよさそうだ。

 これらの結果から言えることは、レーシングマシーンに関しては確実に効果のあるものしか必要がない。また、効果と言うのか、その機能を究極的に極めたものには独特の美しさがある。例えば“日本刀”がそうであるように、エアロパーツにも機能美が歴然と存在をしている。
 これを模倣と言えば言葉は悪いが、その機能美にならって市販車に適用させれば、それを装着した市販車にもそれなりの美しい機能美が漂うのだ。
 したがって、市販車用の物の大多数はファッション性が第一だと思ってもよいと言われるゆえんだろう。
 自分の愛車に、美しく研ぎ澄まされた機能美を与えることは、何となく誇らしい気分になれる。
 しかし、くれぐれも飛ばし過ぎには御注意願いたい。
 

スポンサーリンク


Gooが提供する車検取次サービス

車検の依頼・相談

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加