エンジンオイルの選び方

SAEの表記は重要な指標

エンジンオイルにも様々な種類があるが、先に触れたようにエンジンオイルには「SAE10W30」といった品番がある。

これこそがエンジンオイルを選ぶ際の指標になると言っても過言ではありません。SAEとはアメリカの技術団体が定めた規格になるのですが、これに関してはそこまで深く理解しておかなければならないものではありません。

とりあえず「そんなもの」程度で良いでしょう。SAEはオイル以外にもあるため、話し出したらキリがありません。

ですので数字に関してお話していきます。では「SAE10W30」という数字には何が意味されているのかというと、まずは「W」に関しては「winter」、そうです、冬を意味しています。

これは冬でも性能を保証するという事を意味しています。先の数字は、冬の始動性は10、夏季の潤滑性能は30を保証するという事を意味していると先の項でも話ましたが、夏季・冬季という表現は季節という意味合いよりも低温時や高温時と考えるべきです。

何せ地域によって温度は違うのです。寒い地域の温かい時期と温かい時期の寒い時期と同じくらいの温度というケースとてあるのですから。

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マルチグレードオイル

これに対し、どのような条件であっても始動性と潤滑性能を維持する事が出来るオイルを「マルチグレードオイル」と呼びます。

つまり、「SAE10W30」というマルチグレードオイルはシングルグレードオイルで表現すると♯10から♯30までの性能を保証しているという事を刺すのです。オイルそのものが置かれた環境で粘度指数を変化させ、置かれた環境に順応していくという事でもあるのです。

ですから5W30の方が低温始動性が高く、10W40だと高温や高負荷時の性能が高いと考えてよいでしょう。

そして低温に関しては5Wでいおよそ-35°程度、10Wで-25°程度、20Wで-10°までの始動性を保証していますので、先頭の数字は、寒い地域であればあるほど低い数字を選ぶべきという事が解ります。

粘度指数

ですがエンジンが求める温度は低い温度の時だけではありません。大きい数字は粘度指数を表すものだとお話しましたが、勘違いしてはならないのは、数字が大きいからといって耐熱性が高いという事ではありません。「動粘度が高い」という事でしかないのです。

耐熱性に関してはベースオイルの性能であって、鉱物油よりも部分合成油、部分合成油よりも100%化学合成油の方が耐熱性に優れていると言われていますので、数字云々ではなく、ベースオイルの性能とい事になります。

ですが植物オイルであっても耐久性さえ問題にしなければ潤滑能力そのものはとても高いという事になりますのでレーシングオイルでも使われていたりします。
 

エンジンが必要とする粘度

ではエンジンが必要とする粘度ですが、これに関してはエンジン次第な面が強いのはいうまでもありません。自動車には必ずエンジンが搭載されていますが、その性能は自動車メーカーによって異なりますし、もっと言えば自動車毎に違うのです。

同じメーカーから出ている自動車であっても、ハイブリッドカーとスポーティカーとでは用途が違いますから。基本的にレース仕様のエンジンはフリクションロスを回避すべく、高い粘度指数を求めます。これは常に高回転を求められるため、オイルは常に過酷な条件での性能発揮を求められるからです。

つまり、あっさりしたオイルでは役に立たないのです。さらにクリアランスが大きいタイプですと、シリンダーの圧縮漏れも通常のクリアランスのエンジンよりも大きい事になりますので、これもオイルに粘度を求める理由になります。

一方、近年主流となりつつあるエコカーや低燃費のハイブリッドカーの場合、低粘度が求められています。先とは全く逆というと大げさですが、エンジンを高回転させるのではなく、出来る限りエンジンに負担をかけない走りになります。

つまり、高粘度のように抵抗が増えるオイルではエンジンに負担をかけてしまう事になるので、低粘度が求められているのです。

オイルの選択

純正に近いものがベター

また、「純正オイル」というものもある。これは自動車メーカーが製品の中から「これは合う」と推奨しているものであって、決して自社開発している訳ではありません。

ですので、純正でも純正ではなくとも、パッケージに先から明示している数字が一緒であれば純正品である必要はありません。純正かどうかではなく、数字・記号。これらの方が大切なのです。

ですが純正として選ばれるという事は、言い換えれば「間違いはない」という事でもありますので、純正オイルの数字記号は確かなものです。他のエンジンオイルを選ぶにせよ、この数字と同じものを選べば間違いはないという事になります。

そこから自分自身のカーライフ等を加味した上で選ぶべきです。エコカーではあっても少々飛ばし気味に運転するのであれば、純正数字よりも多少高粘度のオイルを選ぶべきです。

エンジンオイルにまつわるトラブル実例

 筆者が懇意にしているBMWディーラーの、あるサービス部長をなさっている方からうかがった話しだ。
 ある顧客のご夫婦のお話だ。

 このご夫婦、ご主人が540を所有されていて、奥様が325を所有されていると言うことだ。
 奥様が使用するパターンは、ほぼ90%が“毎日のお買いもの”だそうで、エンジンを始動してから帰宅してエンジンを止めるまでの時間は10分程度だと言うことだ。

 したがって、夏季でもやっと適温になるぐらいだ。おまけに、使用回転数は極めて低く、中速域での使用すら殆どないとのことだった。

 ある日、ご主人の540が点検に入庫していた時に、ご主人はゴルフに行くために奥様の325を使ったところ、高速道路に入って間もなくエンジントラブルでストップ。

 連絡を受けた部長は部下に積載車に代車を乗せて現場に向かわせ、ご主人には代車を使っていただき、トラブルのあった325を積載車に乗せて戻ってこさせた。

 エンジントラブルの原因は、BMWの繊細な油路がスラッジで詰まり、オイルが必要量循環しなかったためだった。

 人間で言うと心筋梗塞のような状態になってしまったらしい。
 何故そうなったのかと言えば、超近距離しか乗らず、エンジンが適温に温まらない状態での運転と、超低速回転しか使わないために様々な汚れがオイル内に拡散せずにスラッジ化してしまったのだ。

 それを知らずにご主人が高速に乗り入れ、高回転を使ったため油圧が上がり、堆積したいたスラッジが剥離して油路を塞いだということだった。

 笑える話だが、リアルにありそうな話しだ。


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