シビックType-Rユーロのメンテナンス

シビック自体の歴史は長く、初代は1972年に発売された。
この初代には1974年10月に発売された“1200RS”と言う、スポーツモデルが初めて登場したのだ。ノーマルよりも12HP、パワーアップされたエンジンと、締めあげられたサスペンションを持つこのRSは、言ってみればタイプRの源流とも言えるのだろう。
オレンジのボディーカラーが鮮烈な印象を与え、ミズスマシのようにワインディングを駆け抜ける走りは、格上のスポーティーカーも一目置かざるを得ない実力をもっていた。
しかし、当時社会情勢から、次代のモデルにRSのようなホットハッチは継承されることはなかったのだ。
二代目のCXや三代目のSi等の高性能バージョンもある事はあったのだが、RSに比べるといかにもイメージが薄かったようだ。
その後も各社、馬力競争の時代に入ると、ホンダもツインカム4バルブを搭載したモデルを出したりしたのだが、何となく影の薄い存在に終始してしまったようだ。

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そして8代目になる“FD”モデルでは2007年に“タイプR”が登場した。
英国工場で生産されたRは、225HPにスープアップされたK20A型エンジンが搭載され、専用にチューンされたスポーツサスで固められた足回りは、Rをかなりマニアックな車に仕立て上げていたのだ。
この車の特徴的な事は、生産車段階でかなりレベルの高いチューンになっていることだ。
そういう意味ではGTRやランエボ、インプレッサSTI等と同じような扱いだ必要になってくる。つまり、高性能車特有の神経質な部分は、各部にあると思った方が間違いはない。
エンジンにしても、生産車段階でNAでありながらリッター当たり112.5馬力を達成しているから、かなり気を使ったメンテは必要になる。
オイルはできれば3000Km毎に交換するぐらいが、丁度良いと思った方がよいだろう。
それと、こういった高回転型(7800RPM)エンジンは、シリンダーとピストンのクリアランスを多く取ってあるケースが多く、オイル消費が通常よりも多くなる場合が考えられるため、エンジンオイルの量のチェックもまめにやった方がよい。
ミッションオイルも、エンジンオイルの交換2~3回に一回の頻度での交換をお勧めする。
今時珍しいMTで、6速ミッションは好調だとなかなかシフトフィールがよい。しかし、走行距離と言うよりも、シフト頻度が激しいとリンク等に緩みが出て、フィールが悪くなったり、シフト時に引っ掛かりが発生してしまう事もあるので、点検時はこの緩みの調整をひと言つけ加えると良いかもしれない。

タイプRのサスは、なかなか高度にチューンされていて、タイヤが路面をしっかりと捕まえることができる。サーキットのようなフラットな路面ばかりではなく、結構荒れた路面でもしっかりとしたグリップを発揮できるという、なかなか優れ物のサスだ。
このサスは結構ダンパーに依存している部分が大きいかもしれない。したがって、ダンパーの減衰力が落ちてきたときには、グリップが落ち込む率が大きいのだはないかと感じられる。このため、ダンパーは消耗品だと割り切って、一定の距離を走ったら潔く交換してしまう事も重要なメンテになるだろう。
どのぐらいの距離でとは、ひと言では言えないのだが、攻めて走るタイプの場合にはそれだけダンパーにかかる負荷も大きいので、早くタレてくる事は確かだ。概ね2~3万Km持てばよい方だと考えておいた方がいいかもしれない。
タイプRをそれらしく走らせるには、パワートレーンとサスは常にベストコンディションでいたいものだ。

最後にブレーキだが、攻めて走るとどうしてもパッドの消耗は早い。
何かにつけてパッドの状態は確認しておきたいものだ。定期点検時には、点検項目にパッドの点検は入っているのだが、あとどの程度の距離を走行可能かと言うことを、必ず確認しておきたいものだ。
それと、ブレーキ液の量や色をみて、減りや水分の混入がないかどうかを確認しておくことも、こまめにやりたいものだ。
クラッチについても、踏み代の変化や、踏みごご地が重くなった等の症状が出たら、即点検に出した方がよいだろう。
また、クラッチミートをする時に“ジャダー現象”が起きるようなら、これも即点検・修理・調整が必要になる。
私もかつてゴルフGTIで、クラッチが切れなくなり、笑えない運転をしてヤナセまで持っていった覚えがある。
エンジンを止めて1速に入れて、セルを回して強制的にスタートし、後のシフトアップもダウンも回転合わせをして行い、停車するときはクラッチが切れないからエンストするまでブレーキを掛け続けると言った運転を強いられたものだ。
こんなことにならないように、常にABCペダルの感触には注意を払っていた方がよい。
生産車とはいえ、ちょっと普通の車と同じ感覚で扱ってはいけないと思って、タイプRと会話をするような気の使い方が出来れば、長く快適なドライビングを楽しめることは間違いないだろう。

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