ホイールの汚れないブレーキパッド

ホイールのメンテナンスと言えば、焼き付いたブレーキダストを綺麗に落とすことの大変さが、嫌でも思い起こされる。特に、ドイツ車のブレーキダストは黒い粉が大量に発生して、洗車した後ちょっと乗っただけも、ホイールに薄っすらとダストが付着してしまう。
 そう、ほんのちょっとの距離を乗っただけなのに、薄っすらとついてしまうのだ。
 ゴルフR32に乗っていた頃、なんとかヒールが汚れないようにならないものか、といつも私も思っていたものだった。
 その後も何台かドイツ車を乗り継ぎ、この想が消えることはなく、洗車の度に“なんとかならないものかな、このブレーキダストはさ~”と、いつも思いつつ過ごしてきたいものだった。

 ブレーキパッドのダストはなぜ出るのか、という単純な問題が浮かんでくることだろう。
 答えは簡単で、車を止める時のメカニズムを思い出していただきたい。
 そう、車の運動エネルギーを、ブレーキによって熱エネルギーに変換して、空中に放熱することにより車を停車させることができると言うことだ。
 このブレーキには、ドラムブレーキとディスクブレーキがある。
 ドラムブレーキは、ブレーキドラムに内蔵されたブレーキライニングを、ドラムに押しつけて摩擦熱を発生させて、動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、その役割を果たすことができるわけだ。一方ディスクブレーキはアクスルの延長線上にあるブレーキディスクを、ブレーキパッドで挟みつけることによって、動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、やはりその役割を果たすことになるのだ。
 ここでお判りのように、どちらの場合においても“摩擦熱”を発生させることによって、その役割を果たすように出来ていると言うことが、ブレーキシステムの大きな構造上のポイントだ。
 
 つまり、ライニングにしても、パッドにしても、その役割が持つ性質上摩擦によって摩耗していくと言うことなのだ。
 この摩耗したカスがブレーキダストだと言うことなのだ。
 ブレーキパッドの素材構成は大きく分けて三種類で、基材・結合剤・摩擦調整剤で構成されている。この基材がパッドのキャラクターを決定づけることになり、ドイツ車を始めとする欧州車は共通して、効きががよく耐久性にはあまり要点を置かない、と言えよう。そして、ブレーキディスクに対する攻撃性も、国産車に比べるとやや大きいことがあげられる。
 つまり、一回のブレーキングで、国産車よりも大量のダストをパッド・ディスクの両方から出すことになる訳だ。
 古くから高速道路が発達していて、隣国との国境が陸続きであり、車での移動があたりまえになっていると言う車文化が、ブレーキは耐久性ではなく効きが最大の重要点である、という考えが発達した結果だろう。
一方、我が日本では高速道路の歴史は浅く、制限速度も100Km/hと低い設定になっているため、耐久性を考慮出来たとは言えないだろうか。つまり要求される能力に違いがあったのではないだろうか。
 勿論、そんなに簡単なことではないのだろうが、外屋からみていると、そんなように見えてしまうことも事実ではあるのだが。

 この性質の違いは、ちょっと敏感なドライバーであれば、ブレーキペダルを通して感触として実感が出来る。
 ドイツ車のブレーキを踏んだ時には、何となく柔らかさを感じるし、国産車のブレーキを踏んだ時には、逆にちょっと硬さを、それぞれペダルを通じて感じることができる。つまり、ドイツ車のブレーキは、パッドがディスクローターに喰い込んでいくような、いかにも削れているような感覚を得ることができる。もっと言えば、パッドがディスクローターに吸いついていくような感覚とでもいうのだろうか。
 一方国産車の場合には、極端に表現するとパッドがディスクローターの上を滑っているような感触を、一瞬だが感じることができる。その後、ジワリとパッドがディスクローターを挟みこんで、所定の役割を果たしていく感覚になるように、私には思える。
 このように、ブレーキを踏んだ時の感触自体にも差がある訳だから、実際にブレーキが作動している時には、もっと大きな差があるのではないないだろうか。
 なにかTV番組でネタにして、実際にブレーキの科学的な事を検証してみていいただきたいものだ。

 このような訳で、ドイツ車のブレーキパッドもディスクローターも、国産車に比べると、比較的寿命も短く(実際にベンツE430に乗っていた時にはパッドは2万Km持たなかった)、頻繁に交換を強いられることは事実だし、ホイールの汚れもそれなりにけっこう酷いことは事実なのだ。
 何かこれを解決することはできないだろうかと、いつも思っていた。
 そんな時に友人から“LX-SPORT BRAKE PAD”という、ブレーキパッドを教えてもらった。
 友人のレクサスLS460にそれは装着されていた。完全に冷えた状態から試乗をさせてもらったが、冷えている時の鳴きは少しあったが、高性能パッドに付き物の温まるまでは効きが悪いことや、冷寒時に起こるジャダーもなく、極めてスムーズに安定して初めからよく効いた。
 車体が温まり、そのまま高速へ乗り入れた。適度に交通量があったが、かなりのハイペースで走ることが出来た(お巡りさん、御免なさい)。
 高速を御殿場で降りて、篭坂峠に乗り入れてちょっとしたヒルクライムを敢行。そのまま、頂上から下りに入った。
 ここでも、かなりハイペースで飛ばせた(再び、お巡りさん、御免なさい)。
 山中湖の湖畔にあるカフェで一休みすることにして、駐車場に車を乗り入れてホイールを見ると、殆どというのか全く汚れはついていない。指でホールを擦ったら、少しそれらしきものが付着したのだが、それがブレーキダストなのかそれとも路上の埃なのかは判らなかった。

 高速域から中速・低速域の、どの速度域でも安定した効きを示し、しかもブレーキタッチも悪くない。
 メーカーの説明としてはディスクローターに対する攻撃性も低いため、ディスクの耐久性もたかまるということだ。
 記憶違いでなければ、ブレーキ関連は重要保安部品にあたる。こういう、重要なパーツを純正品以外の物に交換すると言うことには、かなり抵抗があるのだが、考えてみればレーシングマシーン等は非純正品の塊のようなものだ。
 それに命を預けてレースをしていた時期があったのだから、あまり気にしないで交換してみようと思っているこの頃だ。
 上手く行けば、洗車の時に大変な想いをしなくても済むかもしれないとも、何となく想っているのだ。

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