塗装の種類と構造(樹脂と顔料)

いつも何気なく見ていたり、洗車やワックスがけをしたりしてなじみの深い愛車の塗装。
これはいったいどんな種類があって、どのような構造になっているのだろうか。また、その特徴とはどういうことがあるのか、と言ったことを述べていきたい。
まずは基本になる樹脂の事から述べていきたい。
現代の塗料の主体は“水性”に移り、有機溶剤の含有量は極めて少なくなった。これは有機溶剤排出規制(VOC排出規制)が1992年にヨーロッパで始まった事を契機に、世界的に啓蒙された結果、溶剤が水でも可能と言う塗料が開発された結果なのだ。
しかし、塗料と言うものは、ベースになる樹脂と顔料で形成されていて、その樹脂は有機溶剤使用の塗料でも、水性の塗料でも“アクリル”が主体のようだ。
アクリルは結構タフな樹脂なので、これを外すことはできないと言うことなのだろう。

このアクリル樹脂に様々な顔料を混ぜて、各種の塗料があると考えていただきたい。
この各種塗料を使って、車の塗装が成立するとご理解いただきたい。
ここでは、ごく一般的に使われている塗装について述べていきたい。
まず、その構造だが通常は4層になっている。一番下になる部分は車の基本構造(通常は金属)に定着する役割と防錆の役割を持つと考えていただきたい。その役割をする顔料が、樹脂に混入されている塗料を使用している。多くの場合、色は茶系をしている。
2層目はサフェーサーの役割をしていて、1層目との密着を完成し、更には3層目との密着を助長するとともに、3層目の肌を綺麗にする役割をもつ。
そして3層目は“色”を表現するための大事な部分だ。これには要求される色の顔料や、微細なメタル片、雲母(マイカ)等を混ぜて、思い通りの表現を車に与えることになる。
板金塗装の職人さん達が“色合わせ”と言うのは、この部分の事である。
そして、最後に4層目。これは何も混入していない、透明な樹脂になる。ぞくにいう“クリアー”だ。
これは、本来持つアクリル樹脂の能力を100%だしながら、3層目を守り、光沢をあげて美しさを引き出す大切な層だ。

次には塗装の種類だが、大まかに分けて3種類が現在の主流になっている。
ひとつめは“ソリッド”と呼ばれる、いわゆる単色塗装の事だ。
樹脂に混ぜているのは、単純に色を表現する顔料だけになる。比較的、表現は簡単なようだが、各色の顔料をどれぐらいの配合で混ぜれば思い通りの色を表現できるのか、と言うことが結構難しい。単純なものほどごまかしが効かない、料理の世界のようだ。
また、赤、紺等の顔料は劣化が早い。良く赤がピンクに見えるような、古い車があるのはこのためだ。これを守るためにも、4層目のクリアー層は欠かせない。
次には“メタリック”だ。これは色を表現する顔料と共に、主にアルミの微細な金属片を混入して、見る角度や光の当たる角度によってその表情を変えるという、かなりデリケートな塗装になる。
次は“パール”と呼ばれる塗装で、これは顔料と共に雲母(マイカ)の粉を混入する。メタリックよりも更に繊細な表情の変化を見せるため、高級感がある。
メタリックもパールもともに、“補修”が難しい。今では“純正塗料”が出まわっているので、メタルやパールの混入量などで大変な目に会うことはないのだろうが(それでも年式によって微妙に違いうと言われている)、完全にオリジナルの塗装に同化させることは困難に近いそうだ。
乾燥の条件により、塗膜の中で、メタルやパールが動くこともあり、オリジナルと同じ並び方をさせることが、本当に困難を極めるという。

乾燥と言えば、シンナーなどの溶剤が抜けていく時に“ピンホール”と呼ばれる微細な穴が発生する事もあるが、それが基本構造の金属まで届くことは極めて希であって、懸念することはないとも言われている。
4層に跨って、ピンホールが発生する事はないと言うことがその理由らしい。
良く廃棄されたスチールロッカー等の表面に錆びが発生するのは、塗装が単層だから、ピンホールが鉄板に届くからだと言われている。
塗装とは面白くもあり、タフでもあり、繊細なものだ。
上手くつきあって、いつまでも美しい光沢を保っていただきたい。

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