セームを使って綺麗に仕上げよう

発祥はドイツで、鹿皮をなめした物を総称して“セーム皮”と言っている。
使用目的は工業用で、製品の拭き取りに使っていたと言われている。
一般的な繊維で構成された生地とは違い、繊維屑が出ないことがセーム皮を使う主な理由だったそうだ。現代では、殆ど見かけることがなくなったこのセーム皮だが、代替品として市場に途切れることなく存在するものがある。
それが“合成セーム皮”と言う商品であって、いくつかのメーカーがそれぞれのブランド名で商品展開をしている。
機能的な特徴としては、優れた吸水性と塗膜に傷をつけない事、繊維屑を残さないことが挙げられる。
仕様目的としては洗車・スポーツ用吸水タオル(主に水泳)・工業製品の拭き取り等などがある。

構造としてはμ単位の繊維を使った“不織布”であったり、縦横にμ体位の気孔を巡らせた“PVAスポンジ”であったりと言うことなのだが、いずれの場合もμ単位の隙間による毛細管現象による、抜群の吸水力を持つことには違いがない。
合成セーム皮の凄いところは、その親水性にある。一般的なスポンジや不織布に水を掛けても、なかなか吸水してくれないのだが、合成セームに水を掛けると即座に吸水をしてくれる。この優れた親水性が素早い拭き取り作業を実現してくれるのだ。
また、合成セームは含水性にも優れており、大量の水を含んでくれるために、拭き取り作業中、何度も何度も絞るひつようはないため、この分も時間短縮になる。
更には、絞ることが簡単であり、タオルのように思い切り絞っても、完全に吸水性が戻らないと言うことがない。絞って、水が切れた状態になれば、吸水性は完全に戻る。

販売されている状態でも、製品は湿った状態を保てるようにビニール等で密封パックされて、プラスティックのケースに入った形態で店頭に置かれている。
合成セーム皮は、乾くとバリバリに糊の効いた布地のようになり、畳んだり延ばしたりすることができない。もし、この状態になってもしばらく水に浸せばもとの状態に戻るので、決して“もう使えない”などと思って捨ててしまわないようにしていただきたい。
使い終わったら綺麗に洗って、絞っても黒い汚れた水が出ない様になってから、軽く絞ってケースに入れて保管すればそう簡単には硬くならない。
次回使うときには、一度綺麗な水で濯いでから絞って使っていただきたい。

よく“合成セーム皮は滑りが悪いから使いづらい”と言う声があるが、使い込んでくると滑りはよくなる。また、使い方としてタオルのように抑えつけながら擦るのではなく、水滴を吸い取るようにして、決して押し付けずに吸水性に全てを任せる感覚で使えば滑りが悪いとは感じないはずだ。特に平面(ボンネット・ルーフ・トランク)に使う場合、完全に広げて吸水したいところに置いてから、手前に引っ張れば一度に大面積を拭き取ることが出来て、しかもノンストレスで作業ができるし、驚くほど速く仕上がる。側面は吸水したい部分に大きく畳んだ合成セーム皮を片手で当てて(効き腕がよい)落ちないようにして、空いている方の手で手前に引っ張るようにして使うと、これも大面積を一度で仕上げることができる。
段差や溝に残った水滴は、大面積を処理した後で使い易い大きさに畳んだ合成セーム皮で、丁寧に拭けば終わりだ。

タオルなどで拭くと、何度拭いても筋状に水気が残るが、合成セーム皮ではそれが全くないので、本当に綺麗に仕上がるし、拭くときに塗膜との摩擦回数が圧倒的に少ない。更にはボディーとの摩擦自体も小さい。そして決定的なのは、タオルには大きな目地があり、砂や埃が入り易い。これは綺麗な水で濯いだぐらいでは簡単に取れず、細かい傷をつける原因のひとつになるが、合成セーム皮では開いている穴がμ単位であるため、砂や埃を含有する事はないし、表面に着いた物は濯げば簡単に落ちるため、傷をつける要因ははるかに少ない。

吸水性がよく、短時間で綺麗に拭きとれて、しかも傷になり難い合成セーム皮は洗車の必需品だと言える。
お求めになる時に気をつけることは、サイズだろう。あまり大きいと絞り辛く、作業が大変になる。普通の男性であれば中間サイズをお勧めするし、女性であれば小さいサイズをお勧めしておきたい。
“俺は腕力に自身がある”とおっしゃる方は、一番大きいサイズをどうぞ。確かに、絞ることが出来れば大判の方が、一度に処理をできる面積が大きいので、すぐに仕事が終わるから。
どうか、ご自分にあったサイズを選んでいただきたい。
最後に物には寿命があり、合成セーム皮の場合、ひとつの目安としては拭いても筋状に水気が残るようになったら、そろそろお役御免ということだ。
では、合成セーム皮で楽しい洗車をしていいただきたい。

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