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洗車こそ第一歩
車を綺麗にする事は「美装」になりますが、外装面での美装と言えばいうまでもなく洗車です。
清潔感が大切なのは人間も同じですが、自動車に於いても同様で、綺麗な車と汚い車、どちらの方が好感度が上なのか。乗りたいと思うかと言えばいうまでもありません。
人間とて一週間お風呂に入っていない人がどれだけお洒落な服装で着飾ったり、ブランド物に身を包んだとしてもそれらのアイテムの魅力が半減してしまいます。
車も同様ですが、車の美装はここにあります。人間いう「入浴」、それが自動車における「洗車」でもあるのです。洗車しない状態でいきなりワックスをかけたり塗装を磨いたりする人はいません。いたとしても効果が半減してしまい、あまり意味がありません。
結局自動車のドレスアップも含め、洗車で清潔感を出す事がとても大切であり、第一歩と言っても良いのです。
洗車とは
では洗車とは一体どのようなものなのかと言えば、ボディーを洗う事は基本ではありますが、自動車は様々なパーツから構成されています。
ボディだけではなく、タイヤ、ホイール、ドア、ボンネット。トランクやリアハッチを開けた部分もまた、「外装」と言って良いのですが、これらをどのような順番で洗っていくのかもまた、洗車はとても大切なのです。
洗う順番
洗車する際、出来れば下が舗装されている所で行うべきです。コイン洗車場等はその点をしっかりと弁えています。
せめて泥が飛び跳ねてしまうような所は論外だと心得ておいてもらいたいものです。また、ここでは基本的には全て市販されているものでの洗車の話をしていきたいが、高圧洗浄機に関しては通販等でも格安で販売されているので、これに関しては使いたいと思いm佐生。
タイヤとホイール
まずはタイヤ、そしてホイールです。なぜなら、この部分は自動車が走る事が出来るパーツです。地面に接地するのですから、どうしても汚れ安い部分でもあるのです。
使う液剤に関してはアルカリ性、酸性。これらになるのでなるべく初めに洗うべきだ。ボディーから先に洗ってしまうと、タイヤやホイールを洗浄したアルカリや賛成の液剤がボディーに飛散し、結局また洗わなければならなくなるので二度手間になってしまうのです。
また、ホースに関しては出来れば手元で水を出したり止めたりする事が出来るタイプが重要です。小型高圧洗浄機が重宝されているのはそのためです。
液剤
- 1・中性洗剤(液体洗濯洗剤がベター)
- 2・市販のホールクリーナー
- 3・タイヤ洗い用のブラシ
- 4・ホール洗い専用のスポンジ
- 5・ホール洗い用のブラシ
- 6・液材を入れるハンドスプレー
タイヤ・ホイールの泥と油汚れ落とし用
黒いブレーキダストが出ているタイプのものですと、熱と水分で固着したものがある可能性があります。主にドイツ車に多いのですが、このタイプの場合、酸性の強い洗浄力を持ったものが良いでしょう。
タイヤのゴムに傷がつきにくい柔らかいタイプのものを選びましょう。泥の汚れ落としは基本的に洗剤の洗浄力に任せます。
食器洗い用のものでOK(片面にザラザラしたものが付いていないものでネット等がかぶっていないもの)。
オートバックス等で売っている角度の付いたものがよいが、なければ歯ブラシでも代用は可能。
100円ショップでも販売されているような、500ml程度の物を3本用意しておくと良いでしょう。それぞれ区別出来るよう、油性マジック等でマーキングしておくべきです。
これらを用意した上で、いざ洗浄に入ります。
洗浄の手順
- 1・タイヤ・ホイール、フェンダーの内側、フェンダーアーチの周辺の泥を流す。
- 2・中性洗剤をタイヤ・ホイール、フェンダーの内側に充分にかける。
- 3・洗浄開始・一番初めに液剤をかけたところから開始
ホースを使って手元のノズルで水を出し、まずは水圧で泥を飛ばしましょう。あくまでも一歩目ですので、ここで完璧に落とすという事ではありません。
高圧洗浄機を使用している場合、ノズルの角度を変える事で細かい部分まで狙う事が出来ますので、上手く狙い打ちしてみると良いでしょう。
ここでポイントになるのは、タイヤ・ホイールともに温度が体温よりも下になるまで行うべきです。
(液剤が高い反応をして、アロイホイールに影響することを避けるため)
どのようなかけ方でも良いのですが、かけた順番だけは覚えておくようにしましょう。
先に中性洗剤をかけた順番から開始していきますが、ホイールの泥や油汚れが浮かびあっているはずですので、これらをスポンジで洗い、水をかけて流しておきます。この際、ブレーキダストに関してはまだ無視しても良いです。
そしてタイヤの泥、油汚れを柔らかいブラシで落していくのですが、ここではあまり力を入れず、丁寧に作業していく事を心がけましょう。水をかけながら確認し、随時液剤を追加。
とりあえず先に洗剤をかけた順番を一周したら、今度は固着しているブレーキダストにホイールクリーナーをかけ、ホイールブラシでこすります。この際、液剤が反応していると赤紫の色が出るものがあります。これを目安にすると良いでしょう。
固着したダストが取れたら、思い切り水で流します。この際、残留液剤の酸成分が残っているとホイールの表面を白くしてしまう事もあるので注意です。
この作業を行っている時にはホイールアーチには頻繁に水をかけ、液剤が塗膜に影響を及ぼさないよう気を付ける事も大切です。
そしてフェンダーの内側をホースのストレードモードの水圧、あるいは高圧洗浄機で流し、液剤の力で浮き上がった泥を落とし、タイヤやホイールに流れてきた泥を長し落とします。
ボンネットやトランク、ドアーやリアハッチ
必要な液剤とグッズ
- 1・洗車用シャンプー(増粘剤含有量の少ないもの)
- 2・この部分洗浄専用スポンジ
- 3・柔らかい歯ブラシ
- 4・エンジンブラシ
- 5・液剤を入れるハンドスプレー
- 6・使い古しのバスタオルを1枚、または使い古しのハンドタオルを数枚
各部の洗浄用(塗膜に影響が少ないのでこれを使用)
食器洗い用のものでOK(片面にザラザラしたものが付いていないものでネット等がかぶっていないもの)。
動物の毛の物がよい
オートバックス等で売っているが手に入らなければ、動物性の毛を使った歯ブラシでOK
百均で売っている500ml程度の物、油性マジックで名称を書いておく
洗浄の手順
- 1・開口部を全て開ける
- 2・エンジンが熱い場合
- 3・時計回り・反時計まわりのどちらでもよく、どこから初めてもよい。
- 4・各部とも洗い終わったら水を流して終了。
- 5・ドアの一番下側のゴムパッキンの部分
- 6・リアハッチの上部等
- 7・エンジンルーム周りの部分を洗浄
- 8・エンジンルームの埃を、絞ったタオルで拭く。
- 9・作業中ボディーに垂れた液剤
タオルを濡らして絞り直接水がかからないようにエンジン部分に広げてガード。この時に電装品もガード。
洗浄対象部に水をかけてから液剤をかけ、水を含ませてから絞ったスポンジで洗う。
凹凸のある部分に残った汚れは歯ブラシに液剤を付けてとる。この時にドアヒンジ等のグリース等の油脂が付いた部分は擦らないように注意。
エンジンブラシに液剤を付けて洗浄すると早い。終わったら水を流すこと。
水を流したらカーゴルームに水が垂れそうな部分は、タオルでカバーして直接水がかからないようにする
(エンジンルームに使ったものでよい)
一緒にフロントグリルやビルトインされたライト部分の隙間を、エンジンブラシと歯ブラシを使い分けて洗っておく。
何回かに分けて、タオルを濯ぎながら拭けばかなり綺麗になる。
とにかく素早く水で流す。塗膜に影響が出ると大変な事になるのでこれには気を配る。
ボディーの洗浄
これらの部分を洗う上で必要なグッズを紹介していきます。
液剤とグッズ
- 1・バケツ
- 2・プラスセーム又はシャムワオ
- 3・タオル
- 4・シャンプー(増粘剤含有量の少ないもの)
シャンプー溶液を入れるためのものです。そこまで大きいものではなくても良いでしょう。むしろ大きいと持ち運びに苦労させられます。
洗浄用も拭き取り用もセーム、またはシャワオを利用する事でボディーに傷つける事を回避する事が出来ます。
ガラス磨き用で必要になってきますので、完全に乾燥しているもの数枚用意しておくとよいでしょう。
増粘剤含有量の少ないものが好ましいです。増粘剤は完全に洗い流す事が難しいだけではなく、残ると埃を呼び込む事になってしまいますので注意が必要です。
以上が必要な液剤とグッズになる。
そこまで多くはない事に驚かされるかもしれませんが、ボディーに関してはこの程度で良いのです。
むしろ2つあるポイントのためにはこれだけで良いのです。
まずは洗車傷を最小限のものにするために、スポンジやタオルは絶対に使用しない事。これらでボディーを拭くと、汚れを落とすのではなく細かい傷を付けてしまう事になりかねないからです。
この点、セームやシャワオはミクロの穴しか開いていないため、傷を付けてしまう事を抑える事が出来るのです。
もう1点は洗い残しをしないという点。ボディーは大きいですからこの点は尚更気を付けるべきです。各パネルを6分割くらいに想定し、洗うべき部分をセームやシャワオで枠を作るように洗う事で、時間の短縮と確実な洗浄を両立する事が出来るはずです。
初めは大変かもしれませんが、慣れてくると10分程度で洗う事も出来るようになります。
洗浄の手順
- 1・シャンプーを所定の割合で薄めて洗車液を作る。
- 2・車体全体を水で流し(上から下に)、埃や大きな砂等の汚れを流してしまう。
- 3・セーム等を使って上から下に洗っていく
- 4・水で洗い流す
- 5・セーム等を使って拭き上げる
- 6・開口部の拭き上げ
高圧洗浄機ならば更に効果がある。
ホースを肩に担いで車体に触れないようにして、セームかシャムワオ(以下セーム等)に洗浄液を含ませて、前述の要領で洗う(上から下へ向かって)。この時に車体が乾かないように注意しながら作業を進める。乾きだしたら担いでいるホースの水をかけながら作業すること。特に、夏場には注意が必要。
全体を洗い終わったら、大量の水をかけて洗浄液を流しきるようにする。この時に、タイヤ・ホイールにも再度水をかけて流しておくことが必要不可欠。
コツは力を入れて押しつけるのではなく、軽く表面を滑らせてグッズの“吸水能力”を使うことだ。シャムワオは特に吸水性に優れているので推奨。
ドアやボンネット・トランクやリアハッチ等の開口部の拭き上げは使い古しのセーム等を、専用に下してしまえばよい。無ければこの部分のみタオルを使ってもよい。
仕上げの工程
液剤とグッズ
- 1・乾いたタオル
- 2・綿棒
- 3・水垢落とし
- 4・アーマオール
- 5・アーマオール塗布用スポンジ
- 6・ガラスクリーナー
- 7・ベンジン
- 8・使い捨てウエス
窓拭きように3枚程度。
ディティールクリーニング用
ディティールクリーニング用
タイヤ・樹脂パーツ保護用
食器洗い用で片面がザラザラやネットをかぶせていないもの
ジョンソンの車用のものがよい
ドアヒンジ等から出たグリース除去用
30㎝四方の物を数枚。素材は着古しのTシャツがよい。ヒンジのグリース除去仕上げと、ディティールクリーニング仕上げ用
ここまで大変な思いをして大切な愛車の洗車をしてきて、いよいよ仕上げに入ることになる。
仕上げの手順
- 1・水や汚れが溜り易いところ
- 2・手が綺麗なうちに窓を仕上げる
- 3・ドア等の開口部の仕上げ
- 4・ホイールの空拭き
- 5・タイヤや樹脂パーツの仕上げ
パネルの継ぎ目ですとか、メッキモールの境界線そしてミラーがボディーに接している接合部は水や汚れがどうしても溜まり易い部分です。黒ずんでいる部分もありますが、これは溜まってしまうとどんどん太くなっていくだけではなく、落とすのも大変になります。
気付いたらすぐに落とすのが理想です。わずかな汚れの時の方が落とすのも簡単だからです。芯が無い綿棒に水垢落としを少量付け、丁寧に擦っていくと落とす事が出来ます。水垢落としを付けすぎてしまうと乾燥するとそれが汚れになってしまいますので気を付けましょう。
黒いものが取れたらTシャツの記事等で丁寧に拭き取りましょう。
乾いたタオルにガラスクリーナーを適量吹き付け、窓枠からガラスの形に添うなどして仮想の枠を作るようにして拭くと拭き残しが出来にくいです。外側を拭いたら内側を拭く事でひたすら汚れをとりましょう。
全てを拭き終えたら一番初めに拭いた所から順番にワックスを拭き取るような感覚でふき取ります。このころにはガラスクリーナーも乾いているでしょうから、タオルで拭きとって仕上げていきましょう。
洗浄の際に飛散したグリースを取ります。ウェスにベンジンを軽く染み込ませて広がったグリースを拭き取り、別のウェスで同じ作業を繰り返します。
そして乾いたウェスで乾拭き。これでグリースの残留を抑える事が出来るだけではなく、埃そのものを呼び込む事も防ぎ事も出来ます。
使用済みの使い捨てウエスで、ホイールを空拭きして水の付いた後を取り、すっきりとさせる。
スポンジにアーマオールを付けて、タイヤと樹脂パーツに塗る。樹脂パーツは使い捨てのウエスで空拭きをして仕上げること。
これらの工程が「洗車」になります。文章にするととても長く、大変なものなのだろうと想像する人もいるかもしれませんが、ここまで行う事で自動車の状態はとてもきれいになります。
また、慣れてくると楽になるだけではなく、普段はあまり意識しないような部分までしっかりと洗車する事が可能ですので、いつもとは違った自分の車になります。
もちろん自分でいろいろと考えるべきではありますが、このような洗車技術を身につける事で、「美装」を自分自身で行う事が出来ます。
洗車は面倒だから業者に依頼している人もいるかもしれませんが、自分で洗車する事で、より愛車に愛着を抱く事にもなるのです。